機能解剖学の中では、免疫の立ち位置として複合的に機能するものとしています。
遺体が腐敗したり、カビるのは体内に微細な異物が侵入し作用するからで、生きている間にそうなることは稀です。
なぜなら、体には免疫機能が備わっていて太古の昔からDNAとして伝わってきた生きる術なのです。
例えていうなら、”城”そのものに似ています。
まず、体の外側にある全ての物が”城壁”です。
外からの侵入物を防ぎます。
体毛や皮膚がそれにあたります。
鼻に入った大きな異物は、鼻毛でシャットアウトされます。
ですから、鼻毛を全て抜く事は門や塀が無いようなもので、免疫力を下げてしまいます。
また、今話題のマスクはこの位置にあたります。
門や塀を助けるように外からの大きな埃などはキャッチします。と同時に、中からの不必要物も外に出すことができません。
実は、鼻毛もそれと同じですが城内のゴミ出し当番のような役割をする粘液・粘膜が鼻毛ではキャッチしきれない小さな異物を外に出してくれるのです。
しかし、マスクはそれすらもキャッチしてしまいます。
城で出された生ゴミを外に出すことができずに、玄関に溜まっていくようなイメージでしょうか?
当然ですが、この粘膜系の免疫は優秀でだれかれ構わず外に排出してしまう力持ちなのです。
くしゃみやせきがそうですが、今この時世に思いっきりくしゃみをすると”迷惑がかかる”ような感覚に駆られます。
それを我慢した瞬間に、生ゴミが今日も自分の体内に溜まっていくのです。
でも、大丈夫。
敵の侵入を城内に許しても、多くの仕掛けが敵を苦しめるようにできています。
まずは、消化器官に多く見られる繊毛です。
「バカ殿様」のワンシーンでよく見かけた、階段が滑り台のようになるシーンを思い浮かべてください。
まるでエスカレーターのように、繊毛たちはウイルスなどの異物が体内に侵入しても、細胞に届く前に入り口まで押し返してくれるのです。
もちろん、非常に小さな機関なので生成されるプロセスが重要になります。
良品を作るには良質な材料が必要です。
きっと、強い城は高級な素材で作られていたのがほとんどでしょう。
逆にそうでない素材で作られた城の床や壁は脆く機能しづらいのではないでしょうか?
もしかしたら、そんなに強く無い敵でも簡単に侵入を許してしまうかもしれませんね( ^ω^ )
そんなことを悠長に言っている暇もなく、敵はふすまの向こう側までやってきてしまいました!
それでも大丈夫なんです。
ふすまには常時鍵がかかっていて、許された人しか部屋には入れなくなっているのです。
それが、細胞膜です。
細胞膜の主成分は高性能な脂質で、細胞内に取り込むかどうかの判断をしています。
しかし、この油の原料が狂ってしまっていれば、万事休す。
どんな敵でもふすまを開けてしまうのです。
とその刹那、最強の刺客が到着するのです。
マクロファージ・ミクロファージ・NK細胞です。
彼らは、とにかく何でも食べてしまう特攻隊です。
とにかく攻撃しまくり、相手の形や技などの情報を本部に伝えます。
一通り敵の情報が収集できると、キラーT細胞を始めとする精鋭部隊が結成されるのです。
この時にやってくるB細胞は特に先進的で、飛び道具を使ってウイルスを攻撃します。
それが抗体です。
この抗体免疫は、その後に情報を残すので次回同じ敵が入ってきた時に備えて準備を整えることができるのです。
要は、攻撃されただけ強くなるのがB細胞なのです。
他にも、補体やインターフェロンなどがあります。赤ちゃんには母乳があるのでそれで免疫を支えている側面もあるのです。
これらの免疫系をすり抜けて細胞内に入り、細胞内で増殖し、また細胞外へ出てを繰り返す。
この状態に陥った時のことを感染と言います。
要は、完全に城が落ちた時のことです。
これだけの免疫系をひっさげて日々生きている私たちの城は、そう簡単に落とされない気もします。
が、落とされるのです。
なぜか?
それは、私たちが私たち自身の城に傷を付けているからでは無いでしょうか?
傷ついた皮膚の治りが遅くないか?
誤った美容概念にとらわれていないか?
何かに押し込まれ、制約されている時間が長くないか?
偏った食生活ではなく、栄養バランスよく旬なものを食べているか?
狂った油や、酸化した油を毎日のように摂っていないか?
化学物質や薬で、体が治ると信じていないか?
体温を上げる努力をしているか?
睡眠を回復のためにしているか?
食事は自身の体を作る材料の入庫時間だと思っているか?
毎日笑って過ごしているか?
。。。
多くの人が免疫を既に100%持って成長してきます。
その数字を維持するか?減らすのか?
自分の城を壊すのは、自分です。
壊れた城の形だけ繕うよりも、壊れない城の作り方を教える方がいたってシンプルで効率的です。
対策は、効果を伴い意味を成します。
メディアや浅い知識に流されずに皆さんの本当の新しい生活様式に戻る事に少しでもお役に立てたらと思い書かせて頂きました。
重症になられた全ての方の1日も早いご回復をお祈りしています。