炎症と筋肉

このタイトルで、最も思い浮かべやすいのがいわゆる”筋肉痛”でしょう。

筋肉痛とは、筋繊維に傷が付くことで筋細胞の再合成が始まります。その中で起こる炎症作用で痛みが発生している状態です。

簡単に言うと、筋肉に大きな衝撃があった後に必ずやってくる耐え難い痛みのことです。

例えば、足首の捻挫では激しい鈍痛と異常な腫れを確認できます。

実はその時に炎症が起き筋肉を修復するプロセスが始まっているのです。

そんな時は迅速な応急処置をお勧めします。

「RICE」

1.Rest(安静)

「ギプスをはめた!」なんて言葉をよく耳にするかもしれませんが、要は動かさないようにすることです。

心臓や胃などの不随意筋を除けば、関節を動かさない限り筋肉は使われません。

無理に動かすと炎症が広がり、痛みが増し悪化してしまいます。

関節さえ固定してしまえば、不意な筋運動以外は防げて修復に集中することができるのです。

ちなみに、ウイルスなどの疾病で起こる心筋炎や心膜炎などでは、止めることのできない臓器である性質上Restは適応できません。小さな症状も起こさないようにしましょう。

2.Icing(冷却)

野球選手の投手がベンチに下がった後、肩が大きく膨らんでいるのを見たことないですか?

あれが正しくアイシングをしている最中です。

アイシングは、運動を行う上で非常に重要ですし、ましてやケガなどによって炎症がある場合、とにかく早く行う必要があります。

やり方は、一般的にはアイシングパックに氷8:水2程度に入れ、空気を抜いた状態で患部に当てます。

そのまま20分程かけて感覚が無くなるまで冷やします。

できれば、何度か繰り返すといいでしょう。

内臓に近い場合は気を付けましょう。

3.Compression(圧迫)

治りを遅めてしまうのが腫れや内出血です。

それを抑えるのに有効なのが圧迫です。

表層筋であれば包帯をキツめに巻いたりすることで圧迫は可能です。

先にも書いたように、深部筋の圧迫は難しいでしょう。

4.Elevation(挙上)

指を切って出血を止める時にも、この方法が用いられます。

心臓より高い位置に患部を挙げることで、余分な血液の供給による溜まりを防ぎ、治りをスムーズにします。

当然ですが、内臓周辺の筋肉が炎症を起こした場合は、挙上できません。

この4つを適切に行うことで、筋肉の炎症は和らいで行くでしょう。

安静が一番ですね。

何度も言いますが、安静にできない筋肉の炎症の場合、直接的に言えば心臓などの不随意筋の場合、軽度の炎症でもその後の状況によっては悪化していってしまうことに対処することすらできないのです。

心筋炎や、心膜炎は軽度の場合でも注意が必要です。

胸に痛みが走る。

心臓は止められません。

痛くても止められないのです。

知識のない人はこう言います。

「軽度なら安心ですね。」

「確率が低いから大丈夫ですね。」

それは、RICEが効く部位だった場合です。

症状が出ていない場合でも、炎症は起こっている場合もあります。

人数に足されるのは、ボーダーラインを0.1ポイントでも超えてしまった症例のみです。

それ以下、ギリギリの症例は加算されず、ピラミッド的に考えれば格段に数は多いはずです。

私は、テレビやSNSなどで最近その言葉をよく聞きます。

知識は時に命を守り、大切なひとを守ります。

知識とは、学術的な部分だけではなく、自身に起こる感覚的な部分にも大きな確信が含まれているように感じます。

私が生きている世界は、私であって画面の中ではありません。

私が感じている世界は、誰のものでもなく自分のものです。

体は借り物であり、箱です。

しかし、その箱を大切にできるかどうかは、心にあります。

心を育てるとは、実は体を育てることに直結しているのかもしれません。

免疫の城

機能解剖学の中では、免疫の立ち位置として複合的に機能するものとしています。

遺体が腐敗したり、カビるのは体内に微細な異物が侵入し作用するからで、生きている間にそうなることは稀です。

なぜなら、体には免疫機能が備わっていて太古の昔からDNAとして伝わってきた生きる術なのです。

例えていうなら、”城”そのものに似ています。

まず、体の外側にある全ての物が”城壁”です。

外からの侵入物を防ぎます。

体毛や皮膚がそれにあたります。

鼻に入った大きな異物は、鼻毛でシャットアウトされます。

ですから、鼻毛を全て抜く事は門や塀が無いようなもので、免疫力を下げてしまいます。

また、今話題のマスクはこの位置にあたります。

門や塀を助けるように外からの大きな埃などはキャッチします。と同時に、中からの不必要物も外に出すことができません。

実は、鼻毛もそれと同じですが城内のゴミ出し当番のような役割をする粘液・粘膜が鼻毛ではキャッチしきれない小さな異物を外に出してくれるのです。

しかし、マスクはそれすらもキャッチしてしまいます。

城で出された生ゴミを外に出すことができずに、玄関に溜まっていくようなイメージでしょうか?

当然ですが、この粘膜系の免疫は優秀でだれかれ構わず外に排出してしまう力持ちなのです。

くしゃみやせきがそうですが、今この時世に思いっきりくしゃみをすると”迷惑がかかる”ような感覚に駆られます。

それを我慢した瞬間に、生ゴミが今日も自分の体内に溜まっていくのです。

でも、大丈夫。

敵の侵入を城内に許しても、多くの仕掛けが敵を苦しめるようにできています。

まずは、消化器官に多く見られる繊毛です。

「バカ殿様」のワンシーンでよく見かけた、階段が滑り台のようになるシーンを思い浮かべてください。

まるでエスカレーターのように、繊毛たちはウイルスなどの異物が体内に侵入しても、細胞に届く前に入り口まで押し返してくれるのです。

もちろん、非常に小さな機関なので生成されるプロセスが重要になります。

良品を作るには良質な材料が必要です。

きっと、強い城は高級な素材で作られていたのがほとんどでしょう。

逆にそうでない素材で作られた城の床や壁は脆く機能しづらいのではないでしょうか?

もしかしたら、そんなに強く無い敵でも簡単に侵入を許してしまうかもしれませんね( ^ω^ )

そんなことを悠長に言っている暇もなく、敵はふすまの向こう側までやってきてしまいました!

それでも大丈夫なんです。

ふすまには常時鍵がかかっていて、許された人しか部屋には入れなくなっているのです。

それが、細胞膜です。

細胞膜の主成分は高性能な脂質で、細胞内に取り込むかどうかの判断をしています。

しかし、この油の原料が狂ってしまっていれば、万事休す。

どんな敵でもふすまを開けてしまうのです。

とその刹那、最強の刺客が到着するのです。

マクロファージ・ミクロファージ・NK細胞です。

彼らは、とにかく何でも食べてしまう特攻隊です。

とにかく攻撃しまくり、相手の形や技などの情報を本部に伝えます。

一通り敵の情報が収集できると、キラーT細胞を始めとする精鋭部隊が結成されるのです。

この時にやってくるB細胞は特に先進的で、飛び道具を使ってウイルスを攻撃します。

それが抗体です。

この抗体免疫は、その後に情報を残すので次回同じ敵が入ってきた時に備えて準備を整えることができるのです。

要は、攻撃されただけ強くなるのがB細胞なのです。

他にも、補体やインターフェロンなどがあります。赤ちゃんには母乳があるのでそれで免疫を支えている側面もあるのです。

これらの免疫系をすり抜けて細胞内に入り、細胞内で増殖し、また細胞外へ出てを繰り返す。

この状態に陥った時のことを感染と言います。

要は、完全に城が落ちた時のことです。

これだけの免疫系をひっさげて日々生きている私たちの城は、そう簡単に落とされない気もします。

が、落とされるのです。

なぜか?

それは、私たちが私たち自身の城に傷を付けているからでは無いでしょうか?

傷ついた皮膚の治りが遅くないか?

誤った美容概念にとらわれていないか?

何かに押し込まれ、制約されている時間が長くないか?

偏った食生活ではなく、栄養バランスよく旬なものを食べているか?

狂った油や、酸化した油を毎日のように摂っていないか?

化学物質や薬で、体が治ると信じていないか?

体温を上げる努力をしているか?

睡眠を回復のためにしているか?

食事は自身の体を作る材料の入庫時間だと思っているか?

毎日笑って過ごしているか?

。。。

多くの人が免疫を既に100%持って成長してきます。

その数字を維持するか?減らすのか?

自分の城を壊すのは、自分です。

壊れた城の形だけ繕うよりも、壊れない城の作り方を教える方がいたってシンプルで効率的です。

対策は、効果を伴い意味を成します。

メディアや浅い知識に流されずに皆さんの本当の新しい生活様式に戻る事に少しでもお役に立てたらと思い書かせて頂きました。

重症になられた全ての方の1日も早いご回復をお祈りしています。

感染症の予防と免疫

武蔵丘短期大学 健康生活科 健康体育専攻 卒

2003年よりフィットネストレーナーとして健康増進に寄与し、高齢者中心の事業所で顧客数NO.1となる。

退職後も、健康への興味から基礎栄養学、食育、機能解剖学、運動処方論、運動生理学などを独自に学び、現在のダンス指導に十分に活かしているCobA先生が、専門家(プロ)ではない観点から見る健康法を紹介します。

感染症という言葉を聞かない日は無いというぐらい、この半年間は飽きるほど聞いてきました。

個人で仕事をするようになってからの十数年間、風邪やインフルエンザのような毎年起こるミニパンデミック期間は、仕事の穴を開けないように必死で対策する為に、沢山情報に触れ、実践し、納得してきたのが功を奏しているようです。

昔、芸能界でお仕事をさせてもらっていた時に、インフルエンザにかかりリハーサルに穴を開けた事があります。

その時に、振付監督から言われたのが「インフルだろうが何だろうが、穴を開けたヤツは使えない。」でした。

その時から、人の10倍感染症には気を使い、勉強してきました。

そんな中から、皆さんの役に立てばと思い、この記事を書いています。

まず、感染の定義ですが、ウイルスや細菌に暴露し、体内で増殖した時に初めて感染者とされるのだと勉強しました。

ですから、正確な検査方法は間隔を開けた検査でウイルス量の正確な数を検出できる検査でないと本当に感染しているかどうかは分からないのでは?と感じます。

実際には自分自身で症状を認識し、咳をしたりくしゃみをしたらウイルスが拡散されてしまうので、マスクなどの飛沫防止対策をします。

ですが、一般的なマスクの網目ではウイルスのミクロン単位の捕脱はできないとせれることから、病院ではN95マスクを使用していると認識しています。

飛沫と言っても、最近よく言われるのは2種類あって、大きな飛沫とマイクロ飛沫です。

大きな飛沫は1mもあれば地面に落ちますし、わざと”パイナップル”などの半濁音を使わない限り中々出ないと感じます。

逆にマイクロ飛沫は軽すぎて上方に昇り、少しの気流で空気中に攪拌されてしまうと、TVで専門家とスーパーコンピューターが言っていました。

元々、飛沫に含まれるウイルス量にも疑問がありますが、現在行われている距離の問題はこの飛沫感染の可能性に由来しています。

しかし、これも実際に感染したかどうかについては限定しづらく、他にも

・直接接触感染

・媒介物感染

・空気感染

・媒介動物

があります。

この中で、僕が一番気をつけているのが直接接触感染です。

でも、これも明らかに症状が出ている人が嘔吐したりした排出物に触れた時ぐらいでしょう。

そんな時は、流水と石鹸で手と顔を洗い自分のタオルや使い捨ての紙で拭くぐらいです。

大事なのは、体内に入れない事、入っても排出する事、排出できなくても不活性化する事、不活性化できなくても症状を最小限で抑える事だと思います。

要するに免疫状態の維持です。

免疫は、もう既に兼ね備えているものと獲得するものがありますが、絶対的に生まれながらにして僕たちの体には最強の免疫機能があると知っていましたか?

まずは、外壁です。

肌。

なんです!

肌にウイルスがついても感染した状況ではないですよね。

肌が無い部分には、

粘膜。

があります。

粘膜は体内細胞に付着する前の、いわば堀のような役割だと考えています。

粘膜をすり抜けても、場所によっては

線毛。

があり、体外に排出してくれます。

更に、細胞には直接入り込む事ができず、

細胞膜。

が直接細胞を守ってくれます。

ここまでが、僕が考える最強の免疫エリート集団です。

特に、最後の細胞膜は異物かどうかを判断する高性能オイルなのです。

しかし、体に入る油が低質な油だともちろん細胞膜のオイルも低質になります。

線毛も細胞の一種なので、繊毛運動を活発化させるにはATP-CP系が重要になってきます。

要は栄養です。酸素の摂取量です。

体に入れる物が何なのか?で私達の免疫機能の質は変化するのです。