5.諦めるキッカケ

昔、母さんがこう言っていた。

「お母さんはね、アンタが良くなるんなら良くならない話なんか聞かないよ。」

幼少期、心臓が弱かったCobAは、山を越えた病院に定期的に通っていた。

手術の可能性を否定した病院の先生の話を帰りの車の中で振り返っていた時の一言を今でも覚えている。

結局、手術は回避したものの、心臓は不安定のままだったCobAに、「弱いなら強くしろ!」と、マラソンの出場に応募した。

その後、中学卒業までには”村代表”として、市町村駅伝大会に出場し、その後の運動に対する自信と無尽蔵の体力を得る事になった。

 

 

諦めるまでのカウントダウン

人が何かを始めたくなり、諦めるまでにチャレンジする回数を知っていますか?

 

 

平均0.8回

 

まさかの、1回にも満たないのだそうです。

要するに、何もやっていないのに諦めてしまうケースがほとんどで、1回やった人は前者から見て”大成功者”だという事になります。

ただ、新しいチャレンジは毎日毎日更新されるものなので、毎日がチャレンジの始まりであり、終わる可能性を秘めている事が常識だともわかる数字ですね。

人は始める前に挫け、毎日のチャレンジを忘れたら”試合終了”だという事です。

 

パレートの法則

パレートの法則という言葉をよく耳にします。

数字はいつでも“8:2”に分かれるというものです。

物的根拠は無い為、全てをそうだと決めつける訳では無いけど、これまでの経験からすると良くも悪くもそんな具合に物事は進んでいるように見えます。

例えば、クラスが40人いた場合、それを束ねる”学級委員”は数名だし、風紀を乱す者も同じくらいいたように思います。

残りの20人強が”フツウ”と言われ、民主主義では大きな力となります。

それをどちらに転ばすかの綱引き合戦を、小さくも一回は経験していると思います。

人生で言えばどちらかに風を起こす事で、大半の事は決まっていく。そんな気がします。

誰の言っている事を聞きますか?

誰と足並みを合わせていきますか?

 

①4%ーもうできてる人

②16%ーもうすぐできそうな人

③60%ーどっちでもない人

④20%ー今やめようとしている人

⑤0%ーもうやめた人

⑥0%ーもうやらない人

 

③のダンサー

ダンサー人口600万人。

⑤、⑥は含まないので①〜④のダンサーをどれだけ知っているか?が問題です。

ダンスを始めて間もない人は、まだ出来ていないですし、諦める理由もありません。

なので、誰しもが③の状態からスタートします。

③は白紙状態と同じなので、”最初につけた絵の具”が大体の色の構成を決めますね。

“最初につけた絵の具”とは、最初に習ったダンスの事で、見たものとは異なります。

要するに、最初に誰に教えてもらうかが肝心なのです。

 

④のダンサー

また、その環境の中に①〜④の人たちが全員いる事も大切です。

中には「④はいらない。」と切り捨てる傾向にある場合もありますが、流入過多の場合はそうすることもいいでしょう。ダムの放流がいい例です。

しかし、実際は一度排出を始めると③の人まで排出してしまう事になります。

卵の白身と黄身を分けようとしたら、黄身まで付いてきてしまったといったところでしょうか?

諦めるキッカケとは、「雰囲気」や「流れ」といったケースもあるのだという事を十分に分かる事が最初のスタートかもしれませんね。

実際、第一世代のほとんどが第一ブーム終了後にストリートダンスの世界から、流れるように身を引いたという話をよく耳にします。

根っこが張っていない場合、多少の雨風で流れてしまう芽は多いのです。

ですから、全員が同じ環境にいる事は③であるダンサースターターにとって安全を確保された場所だと言えます。

 

①と②のダンサー

続けられる環境は、ダンサースターターにとってこれほどない好条件です。

ダンスの基礎練習は反復練習がほとんどですし、感覚に至っては3日で分かることもあれば、3年かかることもあるからです。

何事も始めるときは、ネガティブに考えポジティブに動く事が全ての定説です。トライ&エラーが大切です。

ではその数の中で、トライの数が1回でも上回っている人の事を②とし、その次の段階の新たなトライ&エラーをしている人の事を①としたとき、③であるダンサースターターはどんな事ができるでしょうか?

 

「思いを馳せ、ワクワクする事」

あんな事が出来る様になるのかなあ。。。

あんなステージに立てたらいいなあ。。。

あんな人たちと一緒に踊りたいなあ。。。

その力がダンサースターターのパワーになり、まず一つ目のトライに第一歩を踏み出して行けるのです。

③の人たちがまず最初に取り組む事は、”充電”であり”どうなれるのか?”を明確にしておく事でしょう。

その充電プラグが①のダンサーで、その距離を埋めてくれるのが②の目指している人です。

④はその場に残り続け、次の充電タイミングを伺い、③はじっくりと充電する。

これこそが、パーフェクトゾーンと呼び最善のパワーを引き出す事が可能になります。

 

⑤と⑥のダンサー

最後に、⑤と⑥の話をして終わりましょう。

⑤は、ダンスを踊る上で必ず出てくる必要人員です。

彼らがいたから発展し、また危機感が出ます。

もしかしたら、キッカケさえ掴めればもう一度ダンスを始める日がくるかもしれません。

だって、”雰囲気”や”流れ”でこの位置に定着してしまっただけの事なので、何もダンスに対して否定的な思いがない事も特徴の一つです。

その反対に⑥になる人は、もう二度と立ち上がれない何かを背負ってその場を去った人たちです。

逃げるようにその場から去ってしまうので、後には何も残っていません。

更には、事実に基づいた悪いイメージを周りにふりまく為、全てのダンサーに悪い影響を及ぼすのです。

これが多く存在する地域には、ダンスは根付かないどころか他のスタートアップ自体が否定されるような地域になってしまう恐れがあります。

残念ながら⑥となってしまった人たち自身も、新しく出会った何かに一歩を踏み出せなくなってしまう事もあるかもしれません。

自分を肯定でき、好きになり、楽しめる素晴らしいツールのダンスを始めたのに、その真逆の結果と行動を起こしてしまう。

それは、とても悲しい出来事です。

出来るならば、本人達もそうしたくないはずです。

しかし、行き場の無い挫折感は、目の前の誰も傷つかない解消方法を模索します。

ダンスが悪いんじゃなく、その環境が未完成だっただけなんです。

大切なのは⑥を出さない事。

 

⑥になる原因とは、

・想定以上のダメージを受けその場から立ち上がれない。

・もしくは、蓄積したストレスが限界値まで達してしまっていた。

 

このどちらかに当てはまります。

それは、実はダンス以外の何かでも同じ結果になる場合がありますし、更にはキッズダンサーにも同じ事が言えるのです。

細かい理由は個人によって違いますので、ここではスポンサーのご両親ができる対応策をご紹介することにします。

 

「もしも、ウチの子がダンスをやめると言い出したら。。。」

1、まずは話を何回も聞いてあげましょう。(否定も肯定もせず、相づちや同じ言葉を使い繰り返してみる)

2、子供が「どうしたらいい?」などと助けを求めてきたら、「どうなったら一番いいの?」→「何がうまくいっているの?」→「何がうまくいっていないの?」→「どうしたら解決できる?」の順番で質問する。

3、「どうしたら解決できる?」の問いに答えたら、それを実行する手伝いをする。(あくまで補佐役)

4、「どうしたら解決できる?」の問いに答えなかったら、少なくとも3方面から視点の違った代案を提示し、選択させ(あくまで子供主体)、実行する。

番外編:その全ての予防線を、ダンスを始める時に担当インストラクターに聞いてみる。「ダンスを続けるには何が必要か教えて下さい!」

 

ダンスを辞めても辞めなくても、これで親子の絆はまた一段と厚みを増しそうですね!

そんな素敵な親子なら、他の事を始めようが、もう一度ダンスを始めようが、今度はその壁を乗り越えていけそうな気がします。

そして、その時は是非とも「ダンスをやっていたおかげだね!」と笑顔で話してみてください。

その見えない功績こそが、何よりの勲章だと私達インストラクターは信じています。

 

まだまだ子供の力が及ばない所、経済力と行動力。

まるで、アーティストが作品に集中する為に尽力する”マネージャー”のように、芸能人がその能力を最大限に開花されるよう手伝う”事務所”のように。

私たちは、ダンサーのご両親の事を”スポンサー”とお呼びしています。

StartUP!!studioが誇るインストラクター陣達は、そんな”諦めるキッカケ”を実体験し熟知してきた強者揃い!

自分自身挫折を経験し、そして乗り越えてきているからこそ強いメッセージ性を持ち、インストラクションポジションに毎日立っています。

 

どんな人と繋がるか?で、人生は大きく左右されますね!

 

これで、挫けそうになった時も強い味方が手に入りましたね!!

”転ばぬ先の杖”

ならぬ、

“転ばぬ先のダンサー”

です✌︎(‘ω’✌︎ )

辞めずに続ける準備万端!

ダンスが上手くなりたいならこう考える!!!

 

次回、「6.教わる姿勢」にて詳しくお話します!

 

執筆:CobA/StartUP!!studioオーナー、プロデューサー、ダンサー、インストラクター

経歴:延べ200名を超えるキッズダンサーを指導し、数百件の実例を経験。プロデュース業としての指導を実践し、

"自ら踊り、自ら学ぶ"

ストリートダンス本来の姿をキッズダンサーとそのスポンサーに示し続けている。

ダンスビジョンは「ダンス王国」

ダンサーコンセプトは「踊り続ける」

指導歴、16年目。