昔、母さんがこう言っていた。

「今年のお漬物は一番良くできたよー!おばあちゃんに感謝しなきゃね!」

毎年恒例の自家製キュウリのぬか漬けを持って自慢気に話していた。

「今年はおじいちゃんに美味しいって言ってもらえるかな?!」

祖母が亡くなって以来、数年間食卓に並んだのは買ってきた漬物ばかり。

祖父に「ミチコは漬物も漬けられねえ。」とぼやかれ、仕方なく漬け始めた”ぬか漬”も今年で十数年目。

「おばあちゃんの話あの時もっと聞いてたらねえ…お母さんももっと早く上手になってたのにねえ…」

母さんが祖母に漬物を教え込まれてから、実に20年の月日が経っていた。

やる気はあるのか??

「ヤル気あるのかー!!!!」

と怒られた経験はありませんか?

これは、指導者のエゴでもあり、れっきとした指導法の一部でもあります。

エゴな点は、”ヤル気があって欲しい”、”はい!と答えるもんだ!”といった、教える側には必ずあるプロデュースの痕跡です。

まあ、だいたいそんな状態に陥っている場合、言われている方に本当のやる気はありません。

指導法としては、”外的モチベーション”といって、報酬や危機感をチラつかせ瞬発的なエネルギーを発動させるのです。

私自身、もちろん外的モチベーションは使います。

それは、ステージ前の舞台袖だったり、やるやらないの瀬戸際に立たされている時だったり、どうしようもない悩みにぶち当たっている時に…要は、崖っぷちの状況下で使う事が多いですね。

逆に、普段のレッスンでは外的モチベーションは使いません。

自分自身がそうだったからというのもありますが、単純に意味がないからです。

怒らないということではなく、危険行為や迷惑行為は本気で注意します。が、一時的な行動を未確定状態で促し、結果を賭ける指導はしたくないのです。

その代わり、口にタコができるぐらい同じ事を連呼する事があります。

いったいなんで踊ってるの??

だいたいの生徒が答えられません。

しかし、ある一定の生徒は口を揃えてこう話してくれます。

「お母さんとお父さんに喜んでもらいたいから。」

もちろん、他にも理由は様々ですが、何個かある”踊る理由”の中の最後は、だいたいそんな言葉で締めくくられます。

子供はご両親のスポンサーとしての立場を理解し、少しでも喜んでもらいたいと毎日練習に励んでいるのかもしれませんね。

それは、これからを生き抜く上での最大のスキルなのかもしれません。

「人を喜ばせる為に動く力」

更には、

「人の喜びに気づく力」

がそのスキルだと感じています。

それは正常なコミュニケーションの中でしか見出されないのもそうです。

ですから、先の話では一方的な思いのすれ違いにモチベーションも生まれる事はなく・・・逆に心は離れていってしまうばかりですよね。

そんな時、どうしたらいいか?

それは、ダンサー自身に聞いてみるのが一番です。

内的モチベーション

外的モチベーションの対角線上にあるのが、”内的モチベーション”です。

続けられる人は、すべてこの考え方で成り立っているのです。

内的モチベーションに気付くのは、人によって様々です。

始めてすぐに気がつく人もいれば、何年かかっても気づかない人もいます。

最大の難点は「誰にも教えてもらえない。」事でしょう。

自分で気がつくしかないのです。

指導法は多々ありますが、心は人様々ですから百発百中の指導法は残念ながらありませんし、あってもそれは外的モチベーションになりやすいのです。

その代わりデータはあります。データは選択肢を増やしたり、限定させていくのに不可欠な要素です。

私の場合、過去の膨大なデータの中から生徒の数歩先を感じ、彼らの思いと擦り合わせていくのが得意なので、背中を押すタイミングを計るだけで内的モチベーションは誰でも感じられると確信しています。

それは、数さえこなしていれば誰でも感じられる感覚なので、どんなインストラクターでも到達できる領域だと思います。

しかし、その手前で去って行ってしまう”先生”がどうも多すぎるように感じるこの頃です。

確かに、去ってしまう人にはこの感覚や経験はどうしても分からない事でしょう。

しかし、100人を越えた辺りから、なにか違いを感じるようになり、200人近辺で確実にそうなっている事を感じ始め、300人を数える辺りで100人目の理由を知ることになります。

今のは、指導経験100人以下の指導者に向けた外的モチベーションです(^ ^)

でも、その外的なエネルギーで踏み出せなかったその一歩を踏み出せるのであれば、それはあなた自身の力でしょう。

背中を押してもらうには、背後を取られる事が絶対条件です。

人に後ろに立たれるのは不安です。

「俺は本能的に後ろに立つものを排除する…」−ゴルゴ13

ゴルゴ13も言う通り、パーソナルスペース的にも後ろに他人が立つのは不快感があります。

しかし、他人じゃない人だったらどうでしょう?

先の話は、100人未満の指導者でしたが、子供の背中を押すのは紛れもなくスポンサー(保護者)の皆さんしか押せないでしょう。

それが難しい場合は、兄弟や親戚。繋がりが離れれば離れるほど背中を押す事は逆に恐怖になり兼ねます。

もしも、私たちがその代行をさせて頂けるのであれば、是非そうさせてもらいたいのです。

私たちは、自分の心に真っ直ぐにこの道を進んできました。時には藪の中を血だらけになりさまよったこともあります。そんな時も、辛さよりもくぐり抜けた時に手に入るものばかりをイメージしていたようにも思います。

絶頂を手にした時だって沢山あります。甘い罠に引っかかりそうな時だってありました。でも、そんな経験をすべて自分自身の自己決定の元やってきたのです。

それを”内的モチベーション”だと知ったのはごくごく最近になってからの事でした。

私たちは、内的モチベーションの自動制御に成功してきたのです。

スポンサーの皆さんの中にも同じような経験をされてきた方も沢山いらっしゃると思います。

ですから、私たちはタッグを組む必要があると感じています。

ダンサーである”あの子”がヒカリカガヤク姿を一緒に応援していきましょう。

教わる姿勢とは、お互いがその人の事を思いやり、考え、感じ合いながら、自分の進む道に向かって目線を真っ直ぐ高く上げている状態です。

向き合った先のその次のステージへ。

まだまだ子供の力が及ばない所、経済力と行動力。

まるで、アーティストが作品に集中する為に尽力する”マネージャー”のように、芸能人がその能力を最大限に開花されるよう手伝う”事務所”のように。

私たちは、ダンサーのご両親の事を”スポンサー”とお呼びしています。

StartUP!!studioが誇るインストラクター陣達は、そんな”教わる姿勢”を実体験し熟知してきた強者揃い!

自分自身背中を押してもらい、乗り越えてきているからこそ強いメッセージ性を持ち、インストラクションポジションに毎日立っています。

言っていることよりやってる事。

全てがその体で表現しているのです。

“人は全て表現者”

です。

では、

“ダンサーの表現方法とは?”

一体なんなんでしょうか?

次回は、歴史を遡りながらお話を進めていきましょう!

ダンスが上手くなりたいならこう考える!!!

次回、「7.ダンスの使命」にて詳しくお話します

執筆:CobA/StartUP!!studioオーナー、プロデューサー、ダンサー、インストラクター

経歴:延べ300名を超えるキッズダンサーを指導し、数百件の実例を経験。プロデュース業としての指導を実践し、 “自ら踊り、自ら学ぶ” ストリートダンス本来の姿をキッズダンサーとそのスポンサーに示し続けている。 ダンスビジョンは「ダンス王国」 ダンサーコンセプトは「踊り続ける」 指導歴、16年目。