DownUP vol.3大開催!!
第3回目となるDownUPは、日本初のプロストリートダンサーRicky氏を招いて、熊谷平成最後となったダンスイベントを無事終演させた。
DownUP vol.3 プロモーションムービー from Yuta Kobayashi on Vimeo.
“10年続くイベント”を掲げて早3年。目標値まで7年を残し、日本最大級の重鎮Ricky氏が熊谷の地で舞った。
ストリートダンスを経験した人なら誰でも体験する基礎を、1989年に開発。このイベントDownUPの”ダウン””アップ”の概念や、ストリートダンスが持つ独特のダンスセンスに至るまでを”RhythmTraining”という形で開発から30年経った今でも、後世にその姿で語り継いでいる。
その姿勢は、ショーの隅々までアウトプットされていて、”見ているだけで上達してしまう!”そんな感覚にも苛まれるようだった。
DownUP vol.3 SpecialGuestDancer Ricky from BeBopCrew from Yuta Kobayashi on Vimeo.
ストリートダンス発展途上の熊谷が、新元号”令和”の新時代と共に、音を立てて動き出す狼煙が、Ricky氏のSpecialGuestショーケースと共に、空高く舞い上がった。
誰もの背中を押す新曲”TO THE DANCE FLOOR”を引っさげ登場するダンスヴォーカルアーティスト”ANNY”
全4曲で構成されたセットリストの最初に、数年振りとなる新曲をショートバージョンで披露した。
“TO THE DANCE FLOOR”は、自信がなくて尻込みしている人に、その一歩を踏み出し、ダンスフロアで一緒に踊ろう!という曲です。-ANNY-
そう語る本人自らサビで腕をブンブン振り回す姿が印象に残った。
DownUP vol.3 GuestLive ANNY from Yuta Kobayashi on Vimeo.
会場にいた全員に、力を分けていた。そんなステージだった。
待望のデビューを華々しく飾ったストリートアイドル”美月”
特に注目だったアーティストがいる。
2年前までアイドルとして活動していた”美月”だ。実は昨年から、先に紹介した”ANNY”にフューチャーされANNYの楽曲”SweetPrecioiusStory”のみを各イベントでANNYと共に歌ってきた。
歌唱力にも定評があり、伸びのある歌声が売りだ。
しかし、持ち歌が無く単独ライブはできない状態だった。
「等身大の美月を見てもらえたら嬉しい。」-YK(プロデューサー)-
そう答え、楽曲提供をしたYK氏の想いを胸に、少し緊張気味でステージに立つ美月。
デビュー曲、「ペンギンのよう」は、会場が静まり返る程のパワーでい歌い上げた一曲となった。
DownUP vol.3 GuestLive 美月 from Yuta Kobayashi on Vimeo.
会場の雰囲気をガッチリ掴んだDJ1016
ステージとは向かい合わせになる形で設置されたDJブースでは、3タイムをキッチリと盛り上げたDJがいた。
数年振りとなるプレイにはおよそ見受けられず。
フロアではサークルができてダンスバトルが自然発生するぐらい、盛り上がっていた。
「スクラッチが出来ず(会場用意の機材)残念だった。また機会をもらえたらスクラッチも聞いてもらいたい。」-DJ1016-
次回への意気込みを早くも語っていた。
“B-DUST IMPACT”が伝えたいものがそこに。
17年前。彼らがダンスに出会った時、今のダンスシーンを想像できていただろうか?
変わりゆく時代を20年近く見てきた彼らの目に、DownUPはどう映っているんだろう?
変化と不変化のバランスを保ち、その時代を横目に自身を磨いているダンサーにしか分からない世界だろう。
DownUPでのダストの仕事はいつもと違って見えた。それは、変化していく時代に対して、その後に控える普遍的なダンサーを迎え入れる準備のようにも映った。
ダストが伝えたいものがすぐそこにあるのを知らせるようなショーになった。
DownUP vol.3 GuestDancer B-DUST IMPACT from Yuta Kobayashi on Vimeo.
前回GuestDancer”Ayu”をフューチャーする”StartUP!!crew”
DownUPをオーガナイズするStartUP!!studio所属のトップチームが、前回DownUPゲストダンサーの”Ayu”をフューチャーした。
その予感は、Ayuがその後に出場したダンスコンテストで”優勝”を果たすことで現実味を帯びてきた。
DownUP vol.3 GuestDancer StartUP!!crew from Yuta Kobayashi on Vimeo.
「全てのダンサーにチャンスと目指せる場所を提供したい。」-CobA-
リーダーCobAのビジョンに共鳴するダンサーが集まり、さらにまた集まりだす。
まるで、ストリートダンサーが、経験してきたカルチャーを、スタジオダンサー達に置き換えながらショーをしているようなそんな感覚にも見受けられる。
次回DownUPでは、どんな顔ぶれでステージに立つのか、今から見ものだ。
クラブとスタジオを繋ぐもの。”DownUP”
このイベントで見えてきたもの。
それは、 “過去と未来の一本線”だった。
とかく、ストリートダンスを続けている者は、過去に支配されがちな印象を筆者は持っている。
「このジャンルはこうだ!」といった固定概念の上に成り立っているから仕方ない部分もあるだろう。
しかし、Ricky氏がいう通り「遊び心」はストリートダンスにおいてものすごく重要なエレメントの一つだろう。
それが過ぎて、何もないのに自由に踊るのもストリートダンスではない。
大切なのは、”過去を重んじ、未来に希望を馳せながら、今を踊れるか?”
なのではないだろうか?
最後にRicky氏がステージ上で言い放った大切な言葉を胸に、この記事を閉めたいと思う。
「楽しんでいただけたでしょうか?」
また来年も期待せざるを得ない。